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今、世の中を取り巻く状況で、自宅に籠もってる人も多いと思います。 本当だったら週末はJリーグ観戦の日々のはずでしたが、子供の頃はプラモデルを作ったり、鉄道模型にいそしんでいたり、もともと引きこもり気質なこともあり、まぁ、意外と大丈夫なのかもしれません。 ヒマつぶしの読み物として、自分の曲作りとバンドアレンジの手順を公開しようと思いました。 とはいえ、Twitterのフォロワーさんには第一線で活躍しているミュージシャンも多いので、ホント恥ずかしいのですが、まぁいいかと(それでワザとそんなに読まれないように超長文にしました、笑)。 ----------------------------- ◆2月9日(日)青山月見ル君想フでの「水中翼船」という新曲がこの題材です。 【水中翼船】 https://www.youtube.com/watch?v=supvMbH51AM QUIET VILLAGEは多忙なメンバーのスケジュール確保が大変で年に1度、多くて2度程しかライブをやりません。 そこで自分に課しているノルマは 「ライブの度に新曲を作る」 です。 ま、それって年に1曲しか作ってないってことじゃん!とバレますが。 今回、ライブは2月9日(日)、最初のリハーサルは1月26日(日)です。 それまでに曲を作らなければなりません。 なのに僕は、のほほんと正月を過ごし、1/10~13は台湾旅行なぞに出かけておりました。 最初のリハまでに作らなければ。 逆算するに26日のリハの1週間前には出来ていなければ。 何事も締切がないと出来ない性格、ようやく焦ってきます。 それで、日々の暮らしで好きなメロディーをなんとなく頭に思い浮かべるように仕向けていきます。 1月16日(木)のこと、友達と尻手の立ち飲みに行きました。 酔っ払った帰り道、自宅最寄り駅のドラッグストアで買い物しているときに、ふとメロディーが浮かんだ! これだ!絶対忘れない!と思いました。 ところが何しろ飲みのあと、しかも安い甲類焼酎でへべれけ、帰宅とともに寝落ちです。 翌朝 「ふええええええ、何も覚えてない!」 僕は職業ミュージシャンではなく、普段は普通に働いています。 仕事にいきながらも頭の片隅では曲のことが気になります。 「思い出せねぇ・・・」 結局その日、帰宅しても思い出せませんでした。 けれども、 「メロディー思いついたのって、ドラッグストアだったな」 まだ開いてる時間だ。 なにかヒントがあるかも、と店に向かいました。 商品棚を眺めていたら、なんと思い出した!! なんだこの怪奇現象! 今度こそ忘るるべからず! ずっと脳内で歌いながら家に帰ってギターを抱え、スマホの録音ボタンを押しました。 って、ほんの10数秒のサビなんですよ。 それがこの音。 ◆思いついたメロディー その週末、1月18日(土),19日(日)。 18日は自分の53歳の誕生日でしたが、家に籠もってイメージを膨らませます。 思いついたメロディーはいわゆるサビでCメロに当たります。 コードを付けよう。 KeyはとりあえずCでいいか。 メジャーキーで行きたいけど、マイナーのⅡ-V-Iを入れると良さそう。 (Ⅱ-V-Iというのは、基本的なコード進行なので、「Ⅱ-V-I コード」などでググってみてください) |CM7| Em7-5 A7|Dm7|G#7 G7| の4小節にしようか(Em7-5→A7→Dm7がマイナーのⅡ-V-Iです)。 2小節目にA7が入ることで、アドリブのときに変化もつけやすくなるし。 これは、Cのキーではドレミファソラシドのどれかの音でコードが構成されるのですが、 A7にはドの#が入るので、2小節目のとこで、浮かんだメロディーにその音を入れたりすると変化がつく、って意味です。 次はAメロとBメロだなぁ。 Cメロ(サビ)の最初のコードはCM7なのでBメロは王道的にFM7から入るか。 試行錯誤したあと、Bメロを |FM7|A#7|Am7|Gm7 C7| |FM7|A#7|Am7 D7|Dm7 G7| としました。2,6小節目のA#7(= B♭7)が特徴です。 A#7(B♭7)って、Cのキーに出てこないコードなのですが、Fmに相当します。 理由は「Fm→B♭7→E♭」というⅡ-V-Iコード進行があるからです。 僕はアドリブソロを演奏するとき、B♭7が出てくるとFmと捉えたりします。 そしてこのFmは、CのキーではF→Fmと使われることがよくあります。 音楽的にはサブドミナントマイナーと言って、有名どころでは、松田聖子のスイートメモリーズに出てきます。 「ずうっとまえにー(F)、わすれていたー(Fm)」 のとこです。 つまりそれを応用しました。 8小節目の|Dm7 G7|は、サビのCM7に行くためのオーソドックスな進行(Cに向かうⅡ-V-I)です。 Bメロはギターじゃなくて鍵盤に弾いてもらおう。 コードの構成音を散らす音符を指定しました。 さて、Aメロはどうしよう。 とりあえず、Cから上がるか。 CM7,Dm7,Em7 要するに、ド・レ・ミ。 4小節目で半音戻ろう。ディミニッシュコードにしてみたらどうかな? |CM7|Dm7|Em7|D#dim| おお、なんかいい感じ。これだ! そしてメロディーを構築します。 正直、Aメロ、Bメロはコード進行が先でメロディーは後で考えました。 あとは、単調にならないようにDセクションを加えて変化もつけたい。 キーはCだけど、転調したと見せかけるためにいきなりA#7を入れてCに戻ろうか。 A#7はさっきのFmと同じです。 ここはオルガンソロにして弾いてもらおう。 で、簡単な譜面を書き、パソコンでDTMを立ち上げ、ポチポチと鍵盤やベースを打ち込んでギターを入れてデモテイクを作りました。 なんとか1/26のリハに間に合った! デモと譜面をメンバーにネット経由で送ります。 出来た譜面とデモテイクはこちら。 (デモテイクは打ち込みなど素人過ぎて本当は公開したくないレベルの代物です) ◆デモ譜面とデモテイク 1月26日(日)、リハ当日。 譜面を配って、「せーの」で演奏してみます。 みんな優秀なミュージシャンなので初見で大丈夫。 僕:「どうかねぇ」 原川マコト(音大出身のピアニストで作曲の先生):「八田さん、この曲どんなイメージなんすか」 僕:「台湾で見た青い海。さわやかな感じ」 原川:「さわやか? そしたらサビのCメロ4小節目、G#7、G7は?」 僕:「G#7は半音上からG7に下がったら変化つくかなって。でも確かにいらないかも...」 原川:「それでもきつくないっすか?」 僕:「G7じゃなくてオンコードにするってこと?」 原川:「はい」 僕:「了解。G#7→G7はやめて、F/Gにします」 この、G7の代わりにF/Gはよくやるパターンです。 ベースはGのままで柔らかいサウンドになるんです。 原川:「あとは、うーーーん。AメロもCメロ(サビ)もCM7で始まるのが気になります」 僕:「確かにそうだー(実は気づいてなかった)」 原川:「転調しましょう。E♭で」 僕:「なるほど!」 CからE♭へは、構成音が似ていて同主調と言って移行しやすいのです。短3度転調といいます。 原川:「さらにD.S(ダル・セーニョ)でAメロに戻ったら半音上げましょう」 僕:「ひええええ」 原川:「それでギターソロに入ったら、また半音上げましょう」 僕:「ひええええ」 原川:「どうせならエンディングでも半音上げましょう」 僕:「ひええええ。それどうすんの?」 原川:「それは八田さんが合図出してくださいw」 僕:「ひええええwww」 (実際にYOUTUBE動画で僕がエンディングの前に合図を出して、メンバーも認識して頷いているのが確認できます。まぁ、分かりやすくサビのメロディを弾きましたが) その後、ドラム菅田くんのアイディアでリズムを整え、さらにイントロもサビでなくBメロ始まりにして出来たのがこの譜面です。 ・「水中翼船・FIX譜面」 そして、本番1週間前の2月2日(日)、全体リハーサル。 この日はサポートで入るパーカッショニスト山下あすかさんが初めて参加します。 26日は新曲作りに専念していたので、実質的なリハーサルはこの日だけ。 限られた時間で全曲やるので、新曲も含め演奏は1曲につきせいぜい2回、不安なものだけもう1回程度しか演奏できません。 山下さんの役割はその中で全曲を理解し、自らどういう音を付加するか考えることです。 彼女は引っ張りだこのミュージシャン、連日別の演奏やレコーディングでギッチリで、僕らのバンドに費やす時間はほとんどないはず。 これは実力がないと全く務まりません。 で、本番が冒頭のYOUTUBEです。 すげえ、みんなプロフェッショナル! 【写真:新田義正】
by quietvillage1997
| 2020-03-29 15:31
| QVニュース
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